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第2世代3DXの概要
松本歯科大学 歯科放射線学講座
永山哲聖先生 新井嘉則助教授ご寄稿
歯科用小型X線CTの試作機を本学新井嘉則が開発し、技術移転によって第1世代の3DX(モリタ製作所、京都)が開発され、2001年に薬事承認を受け一般歯科臨床に使用できるようになった。また、松本歯科大学において第1世代の3DX1号機が稼働を始め4年が経過した。2005年7月に第2世代の3DXが発売され、現在では100台以上の装置が世界中で稼働している。
第1世代の3DXではX線センサーに光電子増倍管(Imaging Intensifier I.I.)を使用していたのに対し、第2世代の3DXではフラットパネル(Flat Panel Detector FPD)を使用している。第1世代ではX線をいったん光電子に変換したあと、この電子は加速するために長い距離を必要とした。このため、量子的に不確定な揺らぎを受けやすく、結果として画像がボケたりノイズが発生し、解像力に限界があった。第2世代ではこの問題を解決するためにフラットパネルを用いた。その構造はX線を入射して蛍光する面とその光を受ける半導体を圧着させたため直接X線を光に変換し、半導体で電気信号に変換するために、前述のI.I.のように揺らぎによる画像の劣化を減少させることが出来た。この結果従来よりも広範囲で鮮明な画像を得ることが可能となった。
第1世代の撮像範囲は、直径4cm×高さ3cmの領域であったのに対して、第2世代では最大で直径6cm×高さ6cmの撮像が可能になった。解像力は第1世代では256階調であったが、第2世代ではその16倍の4096階調となり、画素の大きさは1辺が0.125mmの立方体で、撮像範囲が直径6cm×高さ6cmのとき直径方向が480画素で高さが480画素で、約1億画素の情報量となった。その結果、広いダイナミックレンジと幅広い階調表現能力によって軟組織から硬組織まで鮮明に描出可能となった。
第2世代の3DX装置の開発によって、今後の歯科臨床において更なる発展が考えられる。
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3DX画像第1世代 |
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3DX画像第2世代 |
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