3Mixを使う病巣無菌化組織修復療法 | |
当院ではなるべく必要以上に歯を削らないために3Mixという薬を使用しています。 |
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3Mixを使うむし歯治療 3Mixとは抗生剤を混合した薬剤を添付することで、う蝕原因菌を除去し、生活歯のまま保存できる治療法です。 現在は、メトロニダゾール・セファクロール・シプロフロキサシンを3:3:1の割合で混合しています。 使う量は1錠の百分の1程度で極微量です。 |
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神経が出そうな深いむし歯をよく化学的に洗浄し、むし歯菌が浸入して汚染された軟化象牙質を残したままAQボンドとSBコートを塗り、歯質の強化とある程度の耐水性の獲得を図ります。 たとえSBコート層で歯質を被っても、臨床的には3MIXの殺菌力は変わらず、有効な臨床効果が得られます。 |
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神経に接近している部分だけむし歯菌が侵入した罹患歯質を残し、3Mixを加えたαTCPセメントでむし歯を覆います。 図は3Mixを加えたαTCPセメントの上を光重合型の保護層でさらにカバーしています。 |
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むし歯菌が殺菌されるまで、プラスティックで覆って様子を見ます。 |
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むし歯菌が殺菌されると生体の自然治癒力により、柔らかかったむし歯層が石灰化し硬くなります。 1〜3ヵ月後、硬い第二象牙質ができたことを確認した上で、セラミックインレーや金属のインレーで修復するか、プラスティックを詰めなおします。 |
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3MIXの効果 | |
この薬が効けば深いむし歯でも神経を取らずに治療することができます。 でも残念ながら、薬の効果は100%ではありません。数日あるいは数カ月後に痛みが出る場合もあります。 その時は残念ながら、神経を取る処置を行ないます。 |
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3MIXの注意点 | |
3mixを使った後、むし歯を深く取りのぞいた場合、治療後2〜3時間一時的な痛みが出ることがあります。通常は24時間以内に痛みはなくなりますが、24時間 経過しても痛みが続く場合は根の治療が必要になる場合があります。 |
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参考文献と出典: 3Mix-MP療法とLSTR療法 星野悦郎 宅重(たくしげ)豊彦共著 (⇔主要な出典) なるほど納得、むし歯の治療 中林宣夫 安田登共著 歯根面う蝕の診断・治療・予防 眞木吉信 福島正義 鈴木丈一郎共著 クリニカルエンドドントロジー 小林千尋著 細菌を知る・エンドが変わる 福島久典編集 |