▼ブラックトライアングルBlack triangleを解消した一症例▼ |
参考文献:歯界展望2003年12月号 |
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歯と歯の間の大きな三角形の隙間をブラックトライアングルと呼びます。
患者さんの審美的な要求水準が上がるにつれて気にする方が増えていますが多くの場合は治療しないことによって健康を損なうわけではありません。
ただし大きな連続的な隙間は発音障害を起こしますし、隙間に唇が吸い込まれることにより唇の小唾液腺を損傷し粘液嚢胞をつくることもあります。
なによりも患者さんが気にすること自体が精神医学的な意味から治療の理由になります。
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ブラックトライアングルの主な原因
1.歯周病の進行に伴う歯間部歯槽骨の喪失
2.大きすぎる歯間ブラシの使用
3.歯冠修復物、つまり冠の形態
4.歯牙の近心傾斜
5.叢生の矯正治療による歯間部歯槽骨量の不足
6.歯周外科手術
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ブラックトライアングルの主な治療方法
1.補綴的アプローチ ロングコンタクト ハーフポンティック オベイドポンティック 歯間部骨頂からコンタクトポイントまでの距離を5mm以下にする 歯根間距離を考慮した冠の形態 歯肉縁下カントュアーの調整
2.歯周外科的アプローチ 歯間乳頭再生術 歯間乳頭が再生するには歯間水平繊維とセメント質が必要
3.歯肉のクリーピングを目的とした注意深いブラッシングテクニックの励行
4.矯正治療単独によるアプローチ
5.歯冠幅径の縮小と矯正治療の併用
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今回1|1のブラックトライアングルを主訴に来院された患者さんに対し矯正学的な治療を行いました。
患者さんの主訴:1|1の隙間が気になる。
患者さんの年齢:29歳
患者さんの性別:女性
既往歴:過去に叢生を直す目的で矯正治療を受けています。
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術前の状態
2006.2.18 |
術後の状態
2006.8.12 |
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結果:臼歯部の咬みあわせの関係を壊さないために、5321|1235だけに装置をつけさせていただき、限局的な矯正治療を行い近心傾斜した前歯部の再配列を行いました。歯根尖を近心に移動させることにより治療後の後戻りを避けるように配慮しました。
今後の長期的な経過観察と咬みあわせの調整が必ず必要です。上顎前歯部の裏側に接着した固定式リテーナーは経過観察の結果、
後戻り傾向が認められない場合のみ外すことができます。 |
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