エピネフリン epinephrineアドレナリンadrenalineエピレナミンepirenamine 出典:今日の治療薬2005 南江堂 歯科における薬の使い方2003-2006 デンタルダイヤモンド社 今日の治療指針 医学書院 |
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カテコラミン系昇圧薬及び局所麻酔薬添加薬 | 商品名 | 備考 | |||||||||||||||||||||||||||||
エピネフリン添加の歯科麻酔薬
ボスミンBosmin (第一製薬) 注射:1mg 1ml 液:0.1% エピクイックEpiquick(テルモ) 注射シリンジ0.1% 1ml |
特徴 α>β α作用 血管収縮作用 β1作用 心機能亢進 β2作用 血管拡張作用 ただしα作用がβ作用より強い非選択的α作用薬である。 副腎髄質ホルモン。強力な末梢血管収縮作用を持ち、脳の血流と冠状動脈の血流を増大させる。 @血中に移行すると、β1刺激により、 心筋の収縮力増大と心拍数増加(⇒心筋の酸素消費量は増加する。) Aα1刺激により皮膚や粘膜の血管収縮が起こる。(⇒局所麻酔薬の作用時間が長くなる。) 骨格筋血管はβ2により拡張する。 B心収縮力増強により収縮期圧の上昇があるが、骨格筋血管はβ2により拡張するので、 平均血圧はほとんど変化しない。 Cβ2作用により平滑筋が拡張。気管支の拡張が起こり、瞳孔は散大する。 Dβ2作用により肝臓ではグリコーゲンが分解し、嫌気的解糖が進む。その結果、血糖値が上昇する。 Eβ1作用により脂肪細胞では脂肪の分解が進む。新陳代謝が亢進する。 適応症 @局所麻酔薬の作用延長 A百日咳や気管支喘息の気管支痙攣の緩解 B手術時の局所出血の止血 禁忌 @ハロゲン含有吸入麻酔薬 ⇒これらの薬剤は,心筋のアドレナリン受容体の感受性を亢進させるので、 頻脈,不整脈,場合によっては心室細動や心停止を起こすことがある。 Aブチロフェノン・フェノチアジン系薬 Bα遮断薬 (高血圧や排尿障害に用いる)⇒低血圧を起こす。 Cカテコラミン製剤 (イソプロテレノール(イソメニール、プロタノール))⇒動悸や不整脈の副作用がでやすくなります。 Dアドレナリン作動薬 ⇒狭眼角や前房が浅く急激な眼圧上昇 併用薬の注意 @気管支拡張β刺激薬 ⇒ 不整脈が起こり、場合によっては心停止する危険性がある。 A三環系抗うつ薬 イミプラミンなど MAO阻害薬 ⇒ これらの薬剤は,アドレナリン作動性神経終末でのカテコールアミンの再取り込みを阻害し,受容体でのカテコールアミン濃度を上昇させ,アドレナリン作動性神経刺激作用を増強させる。血圧上昇 B非選択性β遮断薬 プロプラノールなど ⇒ これらの薬剤のβ受容体遮断作用により,エピネフリンのα受容体刺激作用が優位になり,血管抵抗性を上昇させる。 C抗精神病薬ブチロフェノン・フェノチアジン系薬 ⇒これらの薬剤のα受容体遮断作用により,エピネフリンのβ受容体刺激作用が優位になり,過度の血圧低下があらわれることがある。 D分娩促進薬、オキシトシン等、麦角アルカロイド類、エルゴメトリン等 ⇒併用により血管収縮作用が増強され、血圧上昇を招く。 E甲状腺製剤 ⇒ 肝不全発作 重大な副作用 注射の場合 肺水腫、呼吸困難、心停止 その他の不整脈 心悸亢進、不整脈、頭痛、発疹、悪心・嘔吐 |