3〜4歳の反対咬合(乳歯列の反対咬合)の治療      窪田歯科医院
本文へジャンプ 2007年11月11日更新 

 

 乳歯の反対咬合を見つけたら成長発育の機能的な障害を取り除く目的で正常な咬み合わせに治してあげる必要があります。

その理由は、上下の前歯の咬み合わせが反対な場合、本来なら前方へ成長してほしい上顎の成長を下顎の前歯が邪魔し、逆にあまり前へ成長してほしくない下顎前歯を上顎前歯が押すために、下顎はより一層前方へ出てしまう恐れがあると考えられるからです。

ただし乳歯列で一度反対咬合を治療しても、成長発育期に下顎の成長量が旺盛ならば再び永久歯列が反対咬合になることがあります。残念ながら現在の歯科医学の水準では下顎の成長量を正確に予想することは困難ですが、一般に両親のどちらかが骨格性の反対咬合の場合は、お子さんも永久歯列で反対咬合になる確率が高いものと予想されます。

では乳歯列の反対咬合は経過観察だけでいいのでしょうか?
やはり先に述べたように反対咬合を放置すれば、骨格性の要素が強くなりやすくそれだけ将来の矯正治療の困難さが増すものと考えられますから、やはり乳歯列の反対咬合を発見したらすぐに治すべきでしょう。

 装置の選択: 4歳半以上の場合フェイシャルマスクという装置で上顎骨を前方に牽引するか、チンキャップという装置で下顎の成長方向を下方へ変えるか、または下顎前突用の顎内ゴムを使います。この他にも様々な装置が工夫されています。

しかし3歳〜4歳の小児では顎の型を採ること自体が困難で、上手にトレーニングしないと歯科治療に対するトラウマをつくりかねません。

このような場合、調布矯正歯科クリニックの柳澤先生が開発されたムーシールドTMが役に立ちます。
ムーシールドTMは自由に取り外しのできる簡単な装置で上口唇の圧力を排除し、低位舌を改善することにより上下の逆被蓋を正常化します。就寝中に1年間程度使用することにより目的を果たします。必要に応じて他の簡単な装置を追加することもあります。
   

 使用例: 乳犬歯が正常な咬み合わせである軽症例ですが、お父さんが骨格性反対咬合。
初診時4歳1ヶ月 装置使用2007.6.18〜2007.11.30

初診日2007.4.27

初診日2007.4.27

初診日2007.4.27
2007.6.18
ムーシールドTM使用開始

2007.6.18
ムーシールドTM使用開始
2007.7.11
2007.7.11
2007.7.25
2007.7.25
2007.9.19
2007.9.19
2007.10.10
2007.10.10
2007.10.30
2007.10.30 一時的に切歯斜面版を使用しました。