窪田歯科医院(1983年12月1日開院)

〒390-0874 長野県松本市大手3-2-19
Tel.0263-33-7053

日本歯周病学会会員 日本口腔インプラント学会員
日本矯正歯科学会会員(副院長)日本口腔外科学会会員(副院長) 日本睡眠学会会員 長野県矯正研究会専務
3D-LST研究会会員 NAO研究会主任研究員 日本健康医療学会健康医療コーディネーター
日本生理学的矯正歯科学会会員 綾の会準会員 木曜会会員 総合口腔診療部門講師

かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所

院内感染防止対策実施施設基準適合施設
フレイルサポート医2023.12.10認定
日本抗加齢医学会専門医(副院長)

2024年9月6日 更新  
  2024.6.1 医療DX推進体制整備について以下の通り対応を行っています。

①オンライン請求を行っています。

②オンライン資格確認を行う体制を有しています。
③電子資格確認をして取得した診療情報を、診察室で閲覧又は活用できる体制を有しています。
④電子処方箋の発行を行っています。
⑤電子カルテ情報共有サービスを活用できる体制については当該サービスの対応待ちです。
⑥マイナンバーカードの健康保険証利用の使用について、お声掛け・ポスター掲示を行っています。
⑦医療DX推進の体制に関する事項及び質の高い診療を実施するための十分な情報を取得し、及び活用して診療を行うことについて、当該保険医療機関の見やすい場所及びホームページ等に掲示しています。



令和6年10月から後発医薬品(ジェネリック医薬品)があるお薬で、先発医薬品の処方を希望される場合は、特別の料金をお支払いいただきます。

特別の料金とは、先発医薬品と後発医薬品の価格差の4分の1相当の料金のことを言います

例えば、先発医薬品の価格が1100円、後発医薬品の価格が160円の場合、差額40円の4分の1である10円を、通常の13割の患者負担とは別に特別の料金としてお支払いいただきます。

治療案内

窪田歯科医院の特徴

矯正歯科講座
  1. すべての診療スタッフが正規の歯科衛生士です。 2017年10月現在、3名がベテランで、1名が新人で修行中です。お口の中を触れることが法的に許可されていない歯科助手は勤務していません。 2名の歯科衛生士がMFT筋機能療法及び摂食・嚥下訓練及びインプラント手術介助に通暁しています。
  2. 医院全体でたえず最新歯科医学の研鑽を続けています。重度歯周病治療、多発性カリエス(むし歯)治療、咬合崩壊症例、咬み合わせ治療、インプラント治 療、小児及び成人の歯科矯正治療、高齢者医学、睡眠時無呼吸症候群治療について、それぞれ専門学会で研鑽を続けています。5つの学会会員であり、3つの認 定医または専門医を取得、7つの研究会やスタディグループに所属しています。
  3. タービンヘッドやマイクロモーターは診療毎に完全に専用オートクレーブで滅菌しています。ガーゼやラバーダム、ペーパーポイント、リネン類はガス滅菌 または使い捨て製品です。循環器系の基礎疾患を持つ患者さんの歯科治療においてはバイタルサインをモニタリングしながら治療しています。 幼児の患者さんには、歯科治療にトラウマを持たせたり、歯科恐怖症をつくらないことを最優先に対応しています。
  4. 常に全身的・医学的な観点から診断し、総合的な治療計画を立案して、診断名と総合診断内容をテキストで患者さまに提示しています。
  5. エクスポージャー法東洋医学及びDiffuse noxious inhibitory controls (DNIC:広汎性侵害抑制調節)に基づいた無痛治療を行っています。
  6. 矯正治療、精密な感染根管治療、断髄法、再植法、根面むし歯対策、唾液分泌対策などを駆使し、できるだけ歯を残す治療を実践しています。抜歯する場合 は、総合的・戦略的観点から抜歯がその患者さんに必要な場合のみ、充分な説明と同意の後に抜歯しています。困難な手術は信州大学口腔外科または相澤病院歯科または長野日赤病院口腔外科に紹介しています。
  7. 経験の不足している勤務医ではなく、必ずベテランの院長が担当します。
  8. ホワイトニングやセラミックインレー、ラミネートベニア、オールセラミックジルコニアクラウン、グラスファイバー築造、プロビジョナルレストレーショ ンの活用、ダブルコード法による歯肉圧排、マルチレイヤーCR充填、インプラント上オーバーデンチャーなど、患者さんの多彩なニーズに応えることができる 審美歯科治療を行っています。インプラントシステムは高い信頼性を誇る最新のストローマンインプラントシステムを選択し、25年間以上の長期成功症例について専門学会で一般講演発表しています。
  9. 健康を維持するメインテナンス・口腔ケアを重視しています。自立した健康観をサポートする予防歯科治療に力を入れています。
  10. 当院でメインテナンス中の患者さんの往診治療を手掛けています。
  11. 企業における歯科衛生講話、地区別健康教室、教育機関での歯科衛生講話など地域の公衆衛生啓蒙活動を積極的に行っています。
  12. 保険内歯科治療においても、クラウンとブリッジはダブルコード法で歯肉圧排し、シリコン印象にて製作しています。
  13. 自家血清・血漿から作製したCGF及びAFGを用いた再生療法を行なっています。(2016年10月、関東甲信越厚生局に認可取得)
  14. 呼吸機能、嚥下機能、睡眠、食習慣、全身疾患、ライフスタイルを考慮した診断と治療計画、メインテナンス計画を実施しています。
  15. できるだけ削らないで歯質を残す治療を目指しています。3カ月から6か月に1回の定期検診により精密な予防と早期治療を行うことにより、歯周病の再発防止と歯肉退縮の防止、露出歯根面のむし歯予防、歯根破折の低減を図っています。
  16. 必要最小限な矯正治療により、歯の重なりや傾斜、埋伏を解消し、できるだけ最適な状態で充填治療、冠やブリッジをかぶせる治療、義歯の製作、インプラント治療を行うように努めています。

診療の理念

  1. 臭いものに蓋をするようなその場限りの治療ではなく、患者さんの年齢、基礎疾患、生活習慣、既往歴を考慮した包括的な治療計画のもとに、妥協のない最善の治療と注意深い治療後のメインテナンスを行い、歯科疾患の予防と再発防止を果たすことを第一の目標にしています。
  2. 熟達した歯科衛生士だけからなるスタッフや信頼できる専門医とチームワークを組み、小児から後期高齢者の患者さんまで、通常の歯科治療の範囲では、再建・維持が困難な歯周病や顎関節症の難症例治療などに積極的に取り組む。
  3. 患者さん一人一人のナラティブ&ストーリー(物語)を大切に受け入れ、共同して最善の治療・メインテナンス計画を作り上げ、実施しています。歯科治療に対する恐怖感や嫌悪感など、患者さま固有の破綻したストーリーを別のストーリーに書きかえるお手伝いをいたします。
  4. 詳細な問診と検査の結果から、より総合的な観点から診断を行い、治療計画を立案し、患者さまとよく相談した上で、患者さまの健康と経済状態、より良い健康観に沿った治療プランを選ぶようにしております。

    呼吸と睡眠と食事、態癖、生活習慣とセルフケア、アレルギー、基礎疾患、常用薬及びストレスマネージメント、遺伝とエピジェネティクス、周産期の母親の健康、地域の医療環境及び教育制度と経済力、戦争・災害・政治状況、宗教と帰属する集団、過去の経験と記憶、そして社会構造が積み重なって、私たちの個性と疾病をつくり、健康の質と寿命を決定しています。歯科疾患もけっしてその枠組みを逃れるものではありません。包括的な診断と総合的な治療及び信頼できるメインテナンスの継続が、超高齢社会を見据えた歯科医療の必要条件になります。

診療日 月曜日~土曜日  
診療時間 午前9時~午後1時、午後2時30分~午後6時
但し土曜日は午後5時まで
基本的に木曜日の午後にはカウンセリングや治療相談を行っています。
ご予約は 0263-33-7053  
アクセス  
歯科医師 窪田裕一 KUBOTA HIROKAZU  〒390-0874 長野県松本市大手3-2-19 松本市博物館の北側に隣接しています。(松本城側)

休診時の提携歯科医院⇒イイムラ歯科医院 電話0263-27-2700

当院の治療内容は上記を参照してください。

今日のトピックス

生涯研修の目的は、単に知識やスキルを蓄積することではなく、人としての道を修め、人格を陶冶することに他なりません。心の在り方や身の処し方の本質を身に つけることがもっとも大切だと思います。常に学び続ける鍛錬が自分を深め、生き方を究めることに繋がります。単に膨大な情報に溺れるだけでは、索漠とした 空虚さだけが残り、真の意味での生きる満足感は得られないでしょう。本当の自分を知り、天から与えられたプロフェッションとしての役割を真摯に果たすと き、自分にふさわしい生き方をすることができると考えています。

  • 〇 2024.8.17 転居された患者様から励みになる暑中見舞いのハガキをいただきました。スタッフ一同とても感激しています。(文面には存在する最後の「を」が画像から抜けています。)素敵な暑中お見舞いをありがとうございました。
  • 〇 2024年7月23日、日本抗加齢医学会専門医を取得しました。(副院長)
  • 〇 歯周病が関節リウマチを引き起こす 元バーテンダーのポリー・マッチンガー博士が提唱するDanger仮説 「生体は危険か危険でないかによって免疫現象のオンオフを決めている」 抜粋と引用「遺伝子が語る免疫夜話 橋本求著 晶文社2023.12.20初版 」 
  • マッチンガー博士はカリフォルニア大学デービス校のバーテンダーとして働いていた人です。免疫学者や生物学者、遺伝学者、医者などが集まるバーで免疫学のさまざまな自由な議論をする場になっていたそうです。彼女は議論に加わるうちに独自の説を持つようになり、その説を面白いと思ったカリフォルニア大学の教授が、彼女を教室に迎え入れ、学位をとらせ論文を書かせ、その論文が2002年のScience誌に掲載されました。
  • 従来の説では、自然免疫系は、「感染微生物かどうか」を分子パターンのみで見分けており、一方獲得免疫系は、「自己か非自己か」を見極め免疫反応を起こすかどうか決めるとされています。マッチンガー博士は免疫系は「危険か危険でないか」によって反応を決めているというDanger仮説を提唱しました。自然免疫が病原体由来の物質をみわけるために目印にする特徴的な分子構造のパターンは、Pathogen associated molecular patterns;PAMPsと呼ばれています。
  • 一方、感染微生物でなくても自然免疫系の活性化は起こります。ダメージを受けた細胞から放出される物質が、細胞にとっては仲間が外敵によって殺されている極めて「危険」なシグナルとして認識され、免疫を活性化させるからです。このダメージを受けた細胞に由来する特徴的な分子パターンは、Damede associated molecular patterns;DAMPsと呼ばれます。DAMPsは、生体に炎症がおきて「危険」が迫っていることを知らせるシグナルになります。・・・様々な感染症は、自己免疫疾患の発症のきっかけになります。例えば、新型コロナウイルス感染の後に自己免疫疾患を発症した例は、多数報告されています。感染をきっかけとしたPAMPsによる自己免疫疾患誘発の例です。歯周病も、歯肉部に感染微生物がいてPAMPsが存在すると同時に、慢性炎症がDAMPsとして働くため、それが免疫系を刺激し関節リウマチなどの自己免疫疾患の発症要因になります。
  • ⇒Everything is interconnected. プラークコントロールと歯科定期検診や専門的清掃を受けることが推奨される根拠がここにあると思いますが、皆さんはどう思われますか?
  • 「摂食嚥下リハビリテーション認定医」資格を取得しました。(副院長)
  • PEEK 2023.12.1に保険給付が認められたPEEK( Poly-Ether-Ether-Ketone)について
  •  機能区分第3種CADCAM冠の材料として給付されているハイブリッドセラミックは、一応歯に近似した白い色の冠を制作できるのですが、その実態はレジンに焼成していないセラミックの粉を混ぜた材料であり、ジルコニアをセラミックでカバーしたジルコボンド冠に比べれば、機械的強度でも審美性でも色調安定性でも劣っています。上下顎両側の第二大臼歯が全て残存し、左右の咬合支持がある患者の過度な咬合圧が加わらない場合等における第一大臼歯に給付内容が制限されており、7や8には使うことができません。ただし金属アレルギーが医学的に証明されている患者さんにおいては第二大臼歯にも使用できます。実際の臨床経験では約300本のCADCAM冠を装着したうち4年間に3本が破折または脱落しています。
  • 2023年12月に、保険給付された機能区分第Ⅴ種CADCAM冠であるPEEK( Poly-Ether-Ether-Ketone)は曲げ強度が170Mpa以上、ビッカース硬さ55HV以上と定められたスーパーエンジニアリングプラスティックで、市販品では190Mpaの材料が発売されています。 これを見ると機能区分第3種CADCAM冠材料よりビッカース硬さも、曲げ弾性率も劣っているのですが、実際にはPEEKは3点曲げ試験における靭性とハンマー衝撃試験での衝撃吸収性において第3種CADCAM冠材料より優れています。従来のCADCAM冠が第二大臼歯には適用されなかったのに対し、PEEKはすべての大臼歯の治療が許可されています。
  • 日本で認可される以前に、スロベニア等においてはPEEKは冠のベースや局部床義歯のフレーム代替え材料として臨床に使われてきました。
    PEEKの最大の欠点は透明性が欠如していることで、審美的な材料ではありません。白い材料ではありますが、第二大臼歯のように頬の影に入り、あまり目につかない部分に適用すべき材料と個人的に考えています。金属アレルギーを持つ患者さんには朗報となることでしょう。
  • 戦争に伴う投機により金やパラジウム、プラチナの価格は不安定な高騰を繰りかえし、保険給付価格より、技工製作費と金属代の実勢価格が逆転するような「逆ザヤ問題」が問題となっています。CADCAMやPEEKを使えば、ある程度保険歯科医療の「逆ザヤ問題」対策になる可能性がありますが、最大の問題はブリッジの有効な代替え材料が実用化されていないことです。大型のブリッジで顎堤吸収に伴い歯冠長が長くなり、想定外の大量の金銀パラジウム合金を必要とする場合などに「逆ザヤ問題」は深刻になります。認可済みのグラスファイバーブリッジは6欠損ブリッジには使えませんし、個人的には強度と精度に対し不安を感じています。一年でも早く大型ブリッジに使える新規材料が実用化されることを望みます。材料工学の進歩により、金属アレルギーを有する重度のアトピー性皮膚炎に苦しむ患者さんにも安全に装着できる保険給付内材料が現れることを期待します。2050年に世界人口は100億人に達するとされています。地球規模で増え続ける医療需要に対し、今後貴金属や希少金属の争奪は益々激しさを増し、力を背景にした資源の強奪が深刻化していくでしょう。科学技術とともに我々の悟性が進歩することが今ほど期待される時代はありません。
  • 表はyamakinホームページより転載
  •  曲げ強度に関しては、ジルコニア1200~600Mpa、金銀パラジウム合金790Mpa、ガラスセラミック(二ケイ酸リチウム)360Mpa、歯(エナメル質100Mpa・象牙質200Mpa)、機能区分第3種CADCAM冠(ハイブリッドセラミック)240Mpa以上・ビッカース硬さ75HV以上、光重合レジン130Mpa、従来型セラミック154±15Mpa。単位はMpaメガパスカル( 1MPa = 10.1976 kgf/㎠)ジルコニアは透明度が上がるほど機械的強度は低下します。
    (エナメル質の曲げ強度は象牙質の半分くらいです。メノウや水晶と同じモース硬度6~7のエナメル質のコラーゲン含有率は0%であるのに対し、象牙質(ガラスと同等のモース硬度5~6)は18%のコラーゲンを含んでいます。エナメル質が硬く脆い性質なのに対し、象牙質は少し柔らかいがより弾力性があり、表面のエナメル質の破折を内側から支えて予防していることが分かります。)

  • 〇2023.12.10 「フレイルサポート医」として認定されました。 by東京都健康長寿医療センター理事長 鳥羽研二先生、 一般社団法人 日本老年学会理事長 秋下雅弘先生、国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター理事長荒井秀典先生、東京都医師会快調 尾崎治夫先生  
  • 〇禁煙に成功し、きちんとプラークコントロールを行い、メインテナンスを倦むことなく行えば、加齢に負けずに歯肉はハイティーンの歯肉に若返ることができます。
  • 〇 ヘンメルの分類のClassⅢ- Aまでは安定して歯槽骨の再生が行えるようになりました。しかし喫煙者や病悩期間が10年以上の糖尿病罹患者は、合併症が出やすいので手術を行っていません。最近は吸収性のタックピンを使っているので外科手術もほぼ一回で済みます。今後はブロック骨移植のスキルをより向上させて行きたいと考えております。早くこのようなやや高度な医療技術がベーシックなものとして普及し、保険給付になる日が来ないかなと思います。
  • 〇 №168
  •  歯周病とは?なんで歯周病になるの?
  • 〇 週刊ダイヤモンド2022 9/3号『後悔しない歯科治療 頼りになる歯科医院621』に窪田歯科医院が選ばれました。全国の歯科医院数は68000施設、長野県内の歯科医院数は1028施設(平成28年)。
  • 〇 喫煙歴と骨粗鬆症 

    更年期以降の患者さんを診ていると、過去の喫煙歴が長いか、喫煙を開始した年齢が早い方は、歯周病が重症化している場合が多く、禁煙後10年以上経過していても、喫煙経験のない女性に比べ、骨粗鬆症の進行が速く重症化している印象があります。
    当院の生活習慣調査によれば、一般に、20年以上の喫煙歴がある人は禁煙期間が長くても、歯周病と骨粗鬆症が進む傾向があります。

    推定される根拠としては、タバコに含まれるニコチンは、骨の形成に必要なカルシウムやビタミンDの吸収を妨げ、骨の破壊を促進する作用を持っていることです。また、タバコを吸うことで体内の女性ホルモンの分泌が抑制され、更年期後の女性においては骨密度が低下しやすくなります。

    禁煙を始めると、体内のニコチンが減少し、骨の破壊を促進する作用が減少しますが、喫煙歴が長い場合は、骨粗鬆症が進行する可能性があります。喫煙によって骨密度が低下した場合、禁煙後も長期間骨密度が回復しないことがあります。

    しかし、禁煙後も積極的な運動やカルシウムやビタミンDの摂取、健康的な食生活を心がけることで、骨密度の改善が期待できます。禁煙による健康増進は、長期的な視点で考えると、骨粗鬆症の進行を遅らせることにつながります。
    歯周病から身を守り、質の高い熟年期を過ごすためにも、若いときからタバコからは身を遠ざけたほうが賢明だと思います。


  • 〇 新型コロナワクチン接種 松本市だけであと12万人の接種が必要なため、私たち歯科医師もワクチン接種のお手伝いをしています。先日も、合同庁舎にて100人くらいの市民にモデルナワクチンを接種しました。8月と9月はアルピコプラザで接種のお手伝いをします。接種したワクチンの有効期間も8カ月くらいではないかというリサーチもあり、来年度もデルタ株や他の変異株に対応したワクチン接種が続くものと思われます。そのうち歯科医師がワクチン接種を行うのが特例ではなくなり、常態化するのではないでしょうか?国産ワクチンが一日も早く開発され、当たり前の日常を送ることができる幸せを社会の全員が感じることのできる日が来てほしいと願っています。2021.7.21
  • 〇 患者さんに教えられる⇒全身状態や基礎疾患、生活習慣及び睡眠深度が歯周病の治療とメインテナンスにいかに大切かを患者さんから、あらためて学ぶことがあります。60代後半の患者さんは体重が90㌔g代、HbA1cが8.0、中性脂肪が280mg/dL、睡眠時無呼吸症候群の治療を受けておられました。睡眠が浅くなったときに起こる強い食いしばりとプラーク沈着が原因となり、むし歯が多発し、下顎左右大臼歯の欠損が進み、今回も歯周病の進行と歯肉縁下むし歯により、小臼歯が抜歯になりインプラント治療を選択することになりました。しかしHbA1cが高く、就寝中の口呼吸が原因でプラークが多く、とてもインプラント治療は無理な状態でした。そこで患者さんに、インプラントの手術日までに血糖値を減らす必要があること、インプラント治療後もずっと正常な血糖値を保つ必要があることを伝えました。インプラント手術はむつかしいなと思っていましたが、患者さんは2021年2月より市営プールでの水中歩行と水中ダンベル運動を始め、夕食のみ糖質を抜くダイエットを始められました。来院される度にHbAIcが改善し、徐々に体重が減り、6月中旬には体重が9㎏減り、HbA1cが6.4%まで下がって、中性脂肪も80mg/dLまで下がりました。それだけでなく、睡眠時無呼吸症候群が改善し、歯肉の色も暗赤色から健康なピンク色に改善し、無事にインプラント手術に成功しました。ご家族の応援やご本人の驚異的な努力により、糖尿病が改善し、見た目も一回りスリムになっています。糖尿病のかかりつけ内科医の先生もHbA1cが6.0まで下がったら、お薬を止めてもいいと仰ってくれたそうです。⇒やはり歯周病は全身的な健康のひとつの表現型であると思います。健康を取り戻す努力を続けられる患者さんを目の当たりにするとき、患者さんから教えられることの尊さに自然に首が垂れる思いになります。診療室の中だけの治療では、本当の意味で歯周病をコントロールできないとあらためて思いました。(尚、当記事の掲載に当たりましては、患者さん本人の同意を得た上に、同定されないように具体的な内容を変更してあります。)
  • https://youtu.be/sNLUjY9bn8w
  • 〇 ミズーリ州セントルイスのワシントン大学老化研究所長のジョン・モリスによると、欧米では、2010年に比べ認知症の発症率が13%も低下しているということです。
  • しかし日本における認知症の有病率は、厚労省の発表によれば、65歳以上の日本人の2012年に15%、2020年に17.2%であり、2030年には20.8%、つまり日本の高齢者の5人に一人が認知症になると推定されています。日本における全人口に対する認知症有病率は2.33%であり、OECD加盟国のうちで最多であり、OECDの平均である1.48%と比べると有意に高い値です。なぜ欧米では低下傾向にある認知症有病率が日本では下がらず、逆に増えているのでしょうか?
  • それは歯周病菌であるポルフィロモナス・ジンジバリス(P. gingivalis )の産生する蛋白分解酵素ジンジパインが脳内の短期記憶の中枢である海馬を破壊し、アルツハイマー病を引き起こしてるからではないかとする仮説があります。アルツハイマー病の原因として、20年間、βアミロイド蛋白を分解する薬物の研究が行われてきましたが、決定的な成果を生みだしていません。つい最近、βアミロイド蛋白に対する抗体医薬がFDAにより条件付きで承認されましたが、認知症治療をブレークスルーする破城槌(バッターリング・ラム)になるとする見方は、残念ながら少ないようです。
  • それはβアミロイドは神経細胞破壊の主因ではなく、あくまで神経細胞が破壊された結果にすぎない疑いがあるからです。
  • 通常、加齢とともに、血液脳関門は隙間が大きくなるため、脳内に大きな分子量のタンパク質が入りやすくなります。若いときには分子量の大きな細菌や薬物の侵入を拒んでいた血液脳関門が加齢とともに徐々にルーズになっていきます。2019年1月、 Science Advances誌に掲載された論文によれば、アルツハイマー病患者の脳組織中に代表的な歯周病菌である P. gingivalis (ポルフィロモナス・ジンジバリス)とその分泌酵素であるジンジパイン(蛋白分解酵素)が集積している事実が明らかになりました。
  • アルツハイマー病の原因は、歯周病菌が脳内に入り込むためかもしれません。
  • 現在、アルツハイマー病治療に対するジンジパイン阻害薬の臨床治験が第3相まで実施され、早ければ2022年には認可される可能性があるとされています。
  • 欧米で認可された治療薬が、日本で使用できるようになるまでには現状では10年程度のドラッグ・ラグが予想されますが、もしジンジパイン阻害薬が有効ならば、日本人の認知症の約50%を占めるアルツハイマー病の治療を根本から変える画期的な新薬になる可能性があります。
  • 欧米と日本との認知症有病率の違いは、両国民の歯周病予防習慣の差ではないでしょうか。日本人も定期検診と専門的清掃がアメリカ中流階級並みに定着すれば、アルツハイマー病が発症しにくくなるかもしれません。
  • 8020運動の成果により、後期高齢者でもあたりまえに20本以上の歯を持つ人の割合が増えています。しかし加齢とともにプラークコントロールの精度と意欲は障害され、唾液分泌減少や咀嚼・嚥下機能の低下、口呼吸の増加が相俟って、加齢とともにお口の中の歯周病菌は増えていきます。歯は残っているが、歯周病菌が溢れている状態が、日本の高齢者ではよく観察されます。でも高齢者の歯周病が認知症を加速させているとすると深刻な問題です。
  • そのとき、歯周病治療を専門に行う歯科医院で、徹底的にP. gingivalis菌を減らし、定期的な専門的清掃で歯周病を管理する意義は極めて大きなものになると言えるでしょう。
  • 正常な認知能力を持つことは、脳と結びついた全身の免疫系の賦活にもつながります。
  • 歯周病をコントロールして健康なイキイキライフを楽しみましょう。
  • ⇒http://www.med.gifu-u.ac.jp/neurology/column/medical/20190226.html
  • 〇 スリープスプリント ライフタイムの三分の一を占める睡眠で損をしていませんか?徐波睡眠(深睡眠)が障害されていると日中の眠気や疲労感が表れるだけでなく、基礎代謝の低下や肥満肥満、高血圧、糖尿病、がんなど様々の生活習慣病の原因になります。肥満している人だけでなく、下顎の小さい人、舌の筋力低下や嚥下に使う筋力低下、中枢性の呼吸障害で上気道抵抗症候群やそれよりも重症な睡眠時無呼吸症候群が起きます。比較的軽度な睡眠時無呼吸症候群の患者さんの場合は歯科医院で製作するスリープスプリントが適応されます。エプワースの眠気試験⇒セファロ撮影⇒睡眠時経皮的動脈血酸素飽和度検査⇒睡眠内科紹介⇒歯科医院でのスリープスプリント作製の流れになります。
  • 左側術前  右側スリープスプリント装着時 無呼吸低呼吸指数AHIが19から2に改善し、会議中の眠気もなくなりました。2年後に減量に成功し、スプリントも不要に。
  • 〇 Creating confident smile! 上顎前歯のオーバーラップが7㎜を越えるdeep biteは将来咀嚼器官に深刻な障害をもたらす可能性があります。下顎の極端な運動制限は下顎頭の吸収の原因になることがあり、また前歯の著しい咬耗や下顎切歯部の歯肉退縮の原因にもなります。上顎側切歯の先天性欠如を伴うケースも多く、その場合、上顎犬歯を側切歯の形態に修正し、上顎第一小臼歯の舌側咬頭を削除して犬歯として用いなければならない場合があります。
  • 〇 M-MIST 歯間乳頭に切開を加えないことで最小限の侵襲で3壁性の歯槽骨欠損を改善します。
  • 〇 診療室天井に、新型コロナ対策として紫外線による循環式ウイルス殺菌灯を装備しました。ソルパットAP
  • 〇 Zuccheli テクニック
  • 〇 Gum (Gingival) Recession Surgery Treated with Gum Graft. 
  • 〇 Tunnel Technique
  • 〇 Treatment of Gum Recession.
  • 〇 Recobrimento radicular unitário, Marcio Zaffano Casati
  • 〇 運動習慣が大切なのは歯科疾患でも同じ。咀嚼や嚥下に関連する筋力だけでなく、舌を口蓋に押しつける内舌筋や外舌筋の筋力低下も加齢や悪習癖とともに失われます。歯科医院で適切な筋機能訓練を受けましょう。
  •   余談ですが、韓国製のハンドクラップダンスやってみた人いますか?とてもお勧めです。https://youtu.be/FhWj1GUcdUM
  • 〇 秋の歯周病学会臨床ポスター「歯科恐怖症患者にミニマムな歯周外科手術を行ったケース」を発表します。
  • 〇 総合口腔診療部門講師(2019年4月1日~2020年3月31日)を拝命いたしました。
  • 〇 当院は、信州大学口腔外科講座の卒後研修生研修機関に指定されております。8月21日から本年度の研修が開始されます。
  • 〇 ⇒creep
  • 〇 新型コロナ対策として徹底したアルコールによる清拭、すべての器具の高圧蒸気滅菌などの基本対策の他、ウイルス空間駆除として抗ウイルス作用のあるハーブ&カテキンミスト散布を行っています。
  • 〇 常勤の歯科衛生士さんを募集しています。SPT経験者を希望しています。0263-33-7053へご連絡ください。
  • 唾液で行うがん検診サリバチェック
    〇 癌に罹患すると、細胞の増殖や分化に必要な物質であるポリアミンが異常に増加します。そして増えるポリアミンの種類は、癌の種類ごとに異なります。ポリアミン測定は血液や尿からは正確に測定できません。癌は臨床的に表れる前に平均で10年間潜伏していると言われています。ポリアミンによる癌のリスク検査は、DNA検査が癌の傾向を知るだけなのに対し、癌に罹患している臓器を特定できます。採血よりも侵襲が少なく、腫瘍マーカーよりも診断精度に優れているスクリーニング検査です。2019.12月現在、口腔がん、乳がん、肺がん、大腸がんの他、初期状態の発見が難しく、5年生存率が男性が7.9%、女性が7.5%の膵臓がんも診断できます。将来は他の癌も診断できるようになります。最新のがん検診を歯科医院で受けられる時代になりました。検査費用は内税で3万円です。がんの他、歯周病の重症度も判定できます。
  • ★ 少し油断していると、最新の歯科医学から取り残されていきます。最近、導入しましたリフィットデンタルは完全被覆のできる骨欠損を埋めるのに今までに ない効果を得られます。ただし、根分岐部病変にはまだ力不足で使えません。創傷の完全閉鎖をどう実現するかが鍵になります。
  • 〇 新型コロナの影響で歯周病学会も口腔インプラント学会もWEB開催になっています。今後の影響は大きいものと思われます。
  • ○ 新しい可撤式のゴシックアーチトレーサーを改良・開発しました。総義歯だけでなく多数歯欠損の下顎位の水平的な決定に威力を発揮します。下顎ロウ堤から口蓋方向にメタルアーチが設けてあり、その頂点に小さな描記針が溶接されています。舌の動きを妨げにくい形状で、描記板は口蓋中央に従来サイズの半分の面積と厚さで設置します。まだ改良の余地はありますが、できたら製品化したと考えています。
  • ○ サイトランスグラニュール導入しました。骨の成分である炭酸カルシウムが主成分の骨補填材です。
  • 〇 オフィスホワイトニング+ホームホワイトニング2週間 年齢や性別に関係なくホワイトングを希望される患者さんが増えています。
    ただし妊娠中の方はできません。
  • ○ 2019年12月22日(日)「唾液を採取するだけで癌のリスクを評価」セミナー参加。お茶の水ショールーム7階
  • ○ オーサスプレート(日本生理学的矯正学会会長 平林大樹先生考案)導入しました。上顎にだけ装着する睡眠時無呼吸症候群用マウスピースで舌骨の挙上効果があります。

  • 〇 最小限の侵襲のインプラント手術としてフラップレス手術を導入しました。歯槽骨の再生手術を必要とするケースには適応できませんが、条件のいい症例では術後の患者さんの負担が少なくてすみます。
  • 〇 CTの導入以後、インプラント治療だけでなく難治性の根管治療の診断と治癒率が明瞭に向上しました。矯正治療においても歯根の位置関係や埋伏歯の形 状が正確に診断でき、患者さんの利益に直結しています。撮影範囲を小さな範囲に絞ることもでき、照射線量もオルソパントモグラフと変わりません。これからも難症例の診断と治療に活用していこうと考えています。
  • 〇 中程度睡眠時無呼吸症候群の診断とスリープスプリントによる治療を行っています。⇒会議の最中に眠気を感じて困っていた方が、スリープスプリントの着用により昼間のパフォーマンスが改善したケース、あるいは早朝高血圧が改善したケースなどを経験しています。保険内で作成する場合は、呼吸器内科等での予備診断が必要になります。
  • 〇 当院で開発しましたディスポーザルタイトレーション法は従来のジョージ・ゲージ(下顎前方移動量計測器)を用いる方法より簡便で正確です。
  • 〇 OMDとは?
    OMDはorofacial myofunctional disorder(顎顔面筋機能障害)の略語です。安静時や嚥下時や発語時の、異常な唇や顎、舌の運動や位置で起こる機能障害を意味します。例えば母指吸引癖や口唇吸引癖、嚥下時の舌突出癖、低位舌による前歯の圧迫など、長期間にわたる口腔習癖を伴います。肥満や小さな顎、鼻詰まりや喘息傾向、アデノイドの肥大などによる上気道の狭窄、口呼吸、巨大舌などが原因となり、歯列弓の狭窄や変形、顎骨の成長異常などを引き起こします。今回、新しい病名として認められた小児口腔機能発達不全症の治療に於いては、OMDの理解と診断が不可欠になります。
  • 〇 root surface covering 従来法より、分岐部の歯根露出を容易に回復できる手術法を導入しました。
  • ☆* 2017年5月1日より『リグロス』組換え型ヒトbFGF(塩基性線維芽細胞成長因子)が保険給付になりました。通常の保険診療で、最新の歯槽骨再生療法を受けることができるようになったことは画期的なことだと思います。今週末に行われる『第60回日本歯周病学会』でも注目を集めることでしょう。エムドゲインは保険診療で用いることができず、また外国製品でした。リグロスは我が国の研究機関が開発した製品で、今後国際的にも流通していくのではないでしょうか?欠点は患者さんの一部負担金が高額になることです。1本だけの歯槽骨欠損の修復でも、3割負担の患者さんの負担額は1万円程度にはるはずです。十分な説明と同意の下で、ベーシックな歯周外科手術の手技だけでなく、チーム医療としての歯周病治療を行うことができる体制で導入する必要があります。臨床医は安易にこの製品にとびつくのではなく、確実な患者さんの利益に結びつく診療を行わない限り、やがて保険収載から外れる日がやってくる可能性があります。悪貨が良貨を駆逐することがないように祈るばかりです。
  • 1.「日本口腔インプラント学会専門医」に合格しました。国家試験以来の 厳しい勉強を積み重ね試験に臨みました。次は歯周病学会専門医に挑戦します。口頭試問用のケースプレゼンテーション症例20症例提示に快く同意いただいた 患者さん及び、手術や上部構造物作成を支えてくれたスタッフや技工所関係者の皆様に深く感謝いたします。また6年間に亘り卒後研修でご指導いただいた愛知 学院大学口腔インプラント科村上教授及び教室の皆様にもあらためて感謝申し上げます。
  • 2. 3月23日(木)このたび、歯周病科の講師を拝命いたしました。
  • 3. オゾンを利用した歯肉の損傷や知覚過敏症を起こさない最新のホワイトニングシステムを導入しました。前歯6000円で15分×4回、1時間のオフィ スホワイトニングです。特徴は人工的でない自然な白さを得られることです。ただしテトラサイクリン着色や金属原子による着色には無効です。より強力なホワ イトニングには、TION+ホームホワイトニングによるデュアルホワイトニング、あるいはポーセレンラミネートベニアをお勧めします。
  • 4.レジン充填技術をリニューアルしました。より自然な審美性の回復が可能です。
  • 5.インプラント埋入時のCGF、AFG、エムドゲイン併用により創傷治癒の短縮を可能にしました。
  • 6.BOPT(Biologically Oriented Preparation Technique): イグナチオ・ロイ先生によれば、シャンファーなどの水平的な形成を行って冠を装着しても、1年後には41%で冠の境界が露出し、10年後には71%が歯肉 退縮による冠の縁の露出を起こすとしています。ロイ先生は、ナイフエッジ形成によりフィニッシングエリア内に自由に冠のマージン(縁)を設定することによ り、歯肉退縮を起こしにくい画期的な形成法を発表され、今、世界の注目を浴びています。BOPTの実践には、様々のハードルがありますが、当院も積極的に導入していく計画でいます。審美歯科医療のエポックメーキングな課題として取り上げていくつもりでいます。冠ばかりでなく、インプラントシステムもさらに進化していく可能性があります。
  • 〇tooth positionの矯正治療による変更と欠損部のインプラント治療
  • 〇透明性を増したジルコニアクラウン
  • 〇CGFを用いた再生医療とは
  • 〇限局的な矯正治療を伴うラミネートベニア修復の例 2016

  • 〇エナメル質を傷めないホワイトニング

輸血・再生・細胞治療センター
 根管治療の成功率は1回目が90%以上ですが、再治療になると50%まで低下すると言われています。ましてや3回目、4回目となるとさらに治療の成功率が下がります。再治療になるほど、根管内異物やレッジ、毒性の強い細菌叢、根管の穿孔・亀裂が起きている可能性が高く、特に上顎第一大臼歯で歯根が上顎洞内に突出している歯の再根管治療は困難になります。根管内が無菌的になれば根尖病巣は消退するのですが、病巣が大きい場合や、糖尿病や腎不全、重度の貧血や夜間勤務などハードな仕事のストレスに負けている場合は、宿主の防御力や創傷治癒能力の低下のために治りにくくなります。必ずラバーダムを装着して、次亜塩素酸ナトリウムで根管を満たしながら操作し、超音波洗浄をていねいに行い、仮封を厳密に行い、根尖を壊さない、根管充填剤を逸出させない、ファイルのテーパーより大きなテーパーのガッターパーチャーポイントを充填するなどの注意が必要です。オブチュレーションガッターなどノンシーラーの根管充填の10年以上の経過症例の成功率は、ガッターパーチャーの経年収縮のためにコロナル・リーケージを起こしやすくなるため低下していきます。ホルマリン系の根管消毒剤は患者さんの安全のために使うべきではありません。接着剤系のシーラーは再根管治療が行いにくいことが最大の欠点です。どんなに完全な根管治療を行なっても、再治療が必要な場面は必ずやってきます。接着剤で固めた大臼歯の弯曲根管をどうやって再治療するのか?誰か教えてほしいと思います。医療に完全な成功はなく、患者さんの寿命が有限であるから、たまさかその期間に症状が表れないだけにすぎません。この宇宙に崩壊しないものなどありません。リカバリーのことを考えない治療など奢りにすぎないと考えています。ニッケルチタン系のメカニカルな拡大はあまり信用していません。最終的には目視と根管の解剖学的な構造の把握と手指の感覚です。どうしてもだめな場合は根尖切除術や再植法や矯正学的な歯牙移動にかけるしかありません。幸い、最近は自家フィブリンを併用することにより外科的根管治療の成功率が上がっています。
 あとは患者さんの余命やライフスタイルを考えた治療法の選択が必要です。75歳以上の基礎疾患を持つ患者さんで、近い将来通院が困難になることが予想される患者さんに20代の患者さんと同じ治療をしますか?あるいはこれからナイジェリアに3年半単身赴任する患者さんに、成功率が50%の治療を勧めますか?自覚症状が表れたときに、すぐに通院できる患者さんとできない患者さんでは、当然治療選択肢が異なってきます。ホームケアや定期検診が忙しくて行えない患者さんに高額な自費診療を勧めますか?開業医が生き延びるコツはこの辺りにあるのではないでしょうか?

参考リンク集

2014年4月1日~ 見えない矯正治療「インビザライン」導入しました。大臼歯の近心歯体移動は苦手ですが、軽度の叢生や普通の矯正治療の術後修正、空隙歯列弓など、上下額の前後的な差の大きくないケースには向いています。何よりも目立たず、衛生的なところが人気がある理由です。

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2016.8.14 東鎌尾根にて

2009.8.30 信越トレイル 袴岳