memo 膜電位 高カリウム血症
活動電位
action potential(AP)
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トートラ人体解剖生理学原書6版 丸善 P237参照
 活動電位,すなわちインパルスimpulseは,脱分極相depolarizing phaseと再分極相repolarizing phase(と後過分極相after-hyperpolarizing phase)からなる、非常に短時間で起こる一連の現象です。膜電位が再分極し(0mVに近づき)膜域電位thresholdに達すると活動電位が生じます。


 細胞の周辺にある様々な刺激stimulusにより、筋繊維細胞と神経細胞は電気的な興奮を起こします。このような性質を持つ細胞膜の能力を電気的興奮性electrical excitabilityと呼びます。

通常、静止膜電位は-70mVですが(細胞の種類で異なる。)、刺激により電気的に興奮し、臨界(閾値threshold)を越えて脱分極すると、活動電位が発生します。

まず閾値を越えた脱分極が電位依存性Na+チャネル開かせます。これにより大量のNa+イオンが細胞膜内に流入し、脱分極を進めます。Na+イオンの流入により膜電位は正に逆転し、最終的には+30mVに達します。この期間を脱分極相depolarizing phaseと言います。
 また閾値を越えた脱分極は、電位依存性K+チャネル開かせます。電位依存性K+チャネルはゆっくり開くので、電位依存性K+チャネルが開く頃には電位依存性Na+チャネルが閉じ始めます。膜外K+イオンが流出することにより膜の極性は静止状態に戻ります。。この期間を再分極相repolarizing phaseと呼びます。ニューロンの典型的な脱分極と再分極の過程は約1m秒(1/1000)秒続きます。
電位依存性K+チャネルが開いている間に流出するk+イオンの量が多いと、活動電位の後過分極相after-hyperpolariing phaseが出現する。後過分極の間、膜電位は静止電位よりさらに低下するが、k+チャネルが閉じれば、ナトリウム・カリウムポンプにより濃度勾配が回復し、膜電位は静止レベルの-70mVに戻ります。
 
全か無の法則all or none principle 

刺激の強さが閾値、つまり膜域電位threshold(通常-55mV)に達するほど強ければ、電位依存性Na+チャネルと電位依存性K+チャネルが開き、脱分極が起こり活動電位が発生しますが、閾値に到達できない弱い刺激では活動電位は発生しません。また刺激の強さが大きくても発生する活動電位の大きさは常に一定です。

このように活動電位の発生は全か無の法則にしたがって発生します。

不応期refractory period

活動電位の発生開始直後の短期間は、神経も筋繊維もたとえ刺激が加わっても、次の活動電位を発生しない。この期間を不応期といい、軸索をインパルスが軸索小丘から軸索末端である終板へ向か必ずい一方向にだけ伝わる理由となっています。

電位依存性Na+イオンチャネル


局所麻酔のメカニズム:

神経細胞に何も刺激が伝わっていないとき、ナトリウムチャンネルは閉じていますから、細胞内より細胞外にナトリウムイオンがたくさん存在します。つまりナトリウムイオン勾配ができています。
痛み受容器が刺激されると、ナトリウムチャンネルが開き、ナトリウムイオンが細胞内に流れ込み、脱分極を起こします。つまり神経インパルスが発生し、痛みの情報が末梢から中枢へ伝達されます。

局所麻酔剤はナトリウムチャンネルを塞いでしまい、ナトリウムイオンが細胞内へ入れなくなるために、神経インパルスは末梢神経に沿って移動できなくなります。つまり痛みを感じなくなるのです。